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1. ITの仕組み |
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パソコンをビジネスで活用している人は、何をしたいか(機能や目的)に合わせて、何を使うか(構成要素)を選びます。その際、使い方は知っているが、何故そうなるかという「仕組み」を知らずに使っていることがあります。 Windowsでファイルを管理する仕組みは、ファイル本体と登録情報を構成要素に持ちます。登録情報とは、ファイル名、ファイル本体がハードディスクのどこにあるか、データサイズなどです。登録情報を管理する仕組みにフォルダと呼ばれるものがあります。かつてはディレクトリー(登録簿)と呼ばれ、登録される一つひとつの要素をディレクトリー・エントリーと呼んでいました。 同じハードディスク・ドライブの異なるディレクトリー間でファイルをドラッグ&ドロップすると、ディレクトリー・エントリーのみが移動し、ファイル本体は動きません。 これをファイルの移動と呼んでいます。 |
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![]() 図 同一ドライブ間でのドラッグ&ドロップの動き ⇒ 移動 |
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異なるドライブでドラッグ&ドロップをするとファイルのコピーになります。 |
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![]() 図 異なるドライブ間でのドラッグ&ドロップの動き ⇒ コピー |
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ディレクトリー・エントリーは異なるドライブのファイルを指し示すことはできません。なぜなら、外付けハードディスクは複数のものを抜き差しして使うことができるので、それらをパソコン本体のみにある登録簿では、毎回同じドライブ文字(c:やd:など)で指し示すことができないからです。そこで、ハードディスク・ドライブごとに内部にディレクトリーを持たせ、それをパソコン本体が読み込んで管理を行う「仕組み」としたのです。 多くのパソコンは、ハードディスク・ドライブは物理的にも論理的にも1つ(cドライブのみ)の構成で販売されています。そのままの構成でドラッグ&ドロップすると、ファイルは移動となります。 また、最近のWindowsでは、ディレクトリーをフォルダと呼ぶようになり、ファイルの「入れ物」というように錯覚してしまいます。 Windowsのファイルを管理する「仕組み」を知ると、「移動」や「コピー」を意図したように使い分けることができるのです。また、ドラッグを「移動」と訳すことはなくなります。 ファイルを管理する仕組みを応用した別の例でも説明します。Windowsでファイルを削除する場合、「ごみ箱」に入れた後で「ごみ箱」を空にします。しかし、実は「ごみ箱」もWindowsの隠しディレクトリーであり、それを空にするとは、ディレクトリー・エントリーを通常の方法では扱えないようにしているだけなのです。従って、ファイル本体はハードディスクに残ったままなのです。ただし、そのファイルが入っている領域は、空き領域としてWindowsは認識するため、別のファイルを書き込んだ際に、上書きされ得ます。上書きされて初めてファイル本体は消える(実際は上書きされた)のです。 仕組みを知らないと、意図した使い方とならないどころか、情報漏洩という、とんでもない状況を招きかねません。 |
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2.「仕組み」の身近な事例:自動改札 |
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最近の自動改札機は、ICカードの導入によって、機器のメンテナンスコストの削減も図られています。磁気式乗車券は、自動改札機の券投入口に挿入し、自動改札機の券搬送機構(ハンドラーという)で乗車券を取り込み、券情報の読み込み、運賃や利用期間等の有効性判定、新たな情報の書き込み、印字やパンチを行います。これらの作業全てを1秒未満で処理します。この処理は機械的に行われるため、部品の磨耗や、乗車券についている僅かな手垢や、周囲のほこりの舞い込み等による機構の汚れ、そして、汗がにじんだり、変形した乗車券の投入などにより、券搬送機構に乗車券が詰まるなどのトラブルも少なくないのです。これらのトラブルを防止したり、処置を行うためには点検を行わなければなりません。こうしたトラブルの多くは、機械的に処理する磁気乗車券によるものです。これがICカードになると、自動改札機の上部のアンテナに軽くタッチして通ることができ、搬送機構が不要でメンテナンスコストが大幅に低減できるのです。 しかし、すべての乗車券をICカード化し、ICカード専用の自動改札機のみにするには難点があります。普段は自動車利用のみで、出張や旅行などの長距離の場合しか電車を利用しない人にとって、必要最低限の料金を支払って購入する切符で乗車するのが普通です。こうした乗車がなくならない限り、切符は必要なのです。そして、その切符を処理するために、券搬送機構付きの自動改札機は必要となります。 先日、ある友人からこのような話を聞きました。その友人は、数年前までは東京の大手広告会社の部長をしていました。現役時代、通勤などで使った切符や定期は磁気券でした。入出札時には自動改札機の券投入口に券を入れていました。彼は定年退職して、ご両親が住む実家に帰りました。実家の周囲に電車はなく、移動はすべて自動車を利用しています。時折東京に来る際も、自家用車を運転してきます。 その彼が東京に来たある平日の夕方(帰宅ラッシュアワー時)、急な用事が発生して、電車で移動する必要に迫られました。久々に電車に乗るにあたり、ICカードで乗ることができるようになったことを思い出し、家族に話したところ、東京に住むお子さんが持っていたチャージ式のICカードを貸りて電車に乗ることにしました。ICカードで電車に乗るのが初めての彼は、チャージした料金から乗車分を差し引かれると聞いて、近くの駅までお子さんについてきてもらいました。そして、自分が利用する料金をお子さんに渡し、チャージしてもらったICカードを使おうとしました。 仕組みや使い方を知らないと、思わぬことに巻き込まれます。 |
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3. ITを正しく使うために |
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IT化が進んだ現在、仕事や生活では、さまざまな機械や使い方が広がってきています。 |
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![]() 図 インフラ層の詳細フレームワーク |
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進展し続けるITにおいて、どんな道具(「構成要素」)を使うと、どんなことができ(「システムアーキテクチャー」)、実現のために事前に検討すべき要素(「管理」)の三つの視点で捉え、意図した使い方ができるようにする必要があります。 今回のコラムでは、ドラッグ&ドロップの例で、スタンドアロンで使うオペレーティングシステムがどのようにファイルを管理しているかということを、自動改札機の例では、磁気券を処理するための券搬送機構に処理対象規格外のICカードを入れると障害が起きる例を紹介しました。 |
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4. 今後のコラム予定 |
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今回は、ITの「インフラ層」の「仕組み」を細分化し、体系化する例を紹介しました。次回は、「ヒューマン層」でユーザー、エンジニア、マネージャーがIT基礎をどのように使い、作り、使わせるかを解説します。 |
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| 執筆協力 株式会社IPイノベーションズ ソリューション事業部 シニアマネージャー 山田武史 | |